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ドキュメント

参考

並列処理とアイソレート

すべての Dart コードはアイソレート内で実行される。
各アイソレートは1つのスレッドを持つ。
アイソレート間ではメモリは共有されない。
並列処理を行いたい場合はアイソレートを生成する。
- 複数のアイソレートを活用することで、マルチコアやマルチCPU環境を活用
大抵のアプリケーションは１つのアイソレート（メインアイソレート）のみで十分。
- 以降に記載するイベントキューやマイクロタスクキューを使った非同期処理のみで十分。
以降のメモでは、並列処理は扱わない。いずれの処理も１つのアイソレート上で行っているものとする。

イベントキュー

イベントループはDart での非同期および同時プログラミングを可能にするもの
アプリケーションが実行されると、すべてのイベントがイベントキューと呼ばれるキューに追加される。
イベントには、UI の再描画リクエストから、ユーザーのタップやキーストローク、ディスクからの I/O まで、あらゆるものが含まれる。
イベントループはキューに入れられた順序で一度に 1 つずつイベントを処理
FutureやStreamオブジェクトを扱うことでイベントループの末尾にイベントが追加され、並行処理（非同期処理）が実現される。

マイクロタスクキュー

イベントループの先頭で、マイクロタスクキューにタスクがある場合、先に全て実行される
- したがって、すでに実行が開始されたイベントを除くと、あらゆるイベントよりもマイクロタスクが優先されて実行される。

並行処理の順番を検証したサンプルコード

IMO: 以下の処理の結果を予測できるのであれば、FutureやStreamがどのように動作しているかは大方理解できていると考えられる。

import 'dart:async';

void main() async{
  StreamController<void> sc = StreamController<void>();
  sc.add(null);
  sc.stream.listen((_) {
    print("1");
  });
  
  Future.delayed(const Duration(milliseconds:500), (){print("2");});
  Future((){print("3");});
  Future.microtask((){print("4");}).then((_){print("5");});
  print("6");
  Future.sync((){print("7");}).then((_){print("8");});
  test().then((_){print("9");});
  await Future.sync((){print("10");}).then((_){print("11");});
}

Future<void> test() async{
  print("12");
  Timer.run((){print("13");});
}

/*

6
7
12
10
1
4
5
8
9
11
3
13
2

*/

Futureオブジェクト

Futureオブジェクトを生成するとコールバックで渡した処理を、イベントキューの末尾にイベントとして追加する。

Futureオブジェクト自体は以下の２つの状態遷移を辿る

https://dart.dev/codelabs/async-await
Uncompleted
- Futureオブジェクト生成時に即時受け取る。
Completed
- コールバック処理が完了した状態。このとき、値もしくはエラーを伴う。

void main() {
  print(Future((){print("a");}));// イベントキューの末尾に追加。
  print("b"); // この処理はすでにイベントキューに入っているため、上記のコールバックよりも先に実行される。
  // Instance of '_Future<Null>'
  // b
  // a
  // ※ もし、他の処理でも非同期処理をしているのであれば、b と a の間に他の処理が入り込む可能性がある点に注意。
}

Future.microtask

マイクロタスクキューへ追加する。

Future((){print("a");});
Future.microtask((){print("b");});
// b
// a

Future.value(値)

値が非Futureであれば、Completedの状態としてFutureオブジェクトを返す。
- new Future.sync(() => 値) と等価。
値がもしFutureなら、completeとなるまで待ってからその値でCompletedの状態のFutureオブジェクトを返す。

then

https://api.flutter.dev/flutter/dart-async/Future/then.html

Register callbacks to be called when this future completes. When this future completes with a value, the [onValue] callback will be called with that value. If this future is already completed, the callback will not be called immediately, but will be scheduled in a later microtask.

Futureのイベントが終了した直後にコールバックを実行する。
- すでにFutureがCompletedの場合は、コールバックは即時実行はされず、マイクロタスクとして登録される。
thenの戻り値はFutureオブジェクトとなる。

void main() {
 print(Future(() => 1).then((a) => a).then((a)=> print(a))); 
 print(2);
}
// Instance of '_Future<void>'
// 2
// 1

async/await

awaitはthenと同様の処理を行うが、thenを見やすくしたものである。
awaitを書くには、その関数がasyncである必要がある。（main関数でも必要）
awaitがついているexpressionの値は通常はFutureオブジェクトである。
- そうでない場合は、Futute.valueでラップされる。また、警告が表示される。
対象の関数は、awaitを付与したFutureのイベントが完了するまでは動作が止まる。
- ドキュメントの記載は見つからなかったが、下記の結果から、thenと同様にFutureがすでにcompletedであればマイクロタスクへ後続の処理を登録すると思われる。
```
import 'dart:async';
void main() async{
  Future((){print(1);});
  Future.microtask((){print(2);});
  await test();
  print(4);
}
Future<void> test() async => print(3);
// 3
// 2
// 4
// 1
```

asyncをつけた関数は、voidやdynamic以外の戻り値の場合は、戻り値をFutureのサブタイプにする必要がある。

void main() async {
  print(await f1());
  print(await f2());
}

Future<int> f1() async {
  return Future(()=>1);
}

Future<int> f2() => Future.value(2);
// 1
// 2

(参考)Futureではない値のFutureのawait

Futureではない値のawaitは、Future.valueでラップされるため即時completedとなる。
イベントループの末尾に登録されるため、通常の処理よりは後に処理されるが、Uncompletedから始まるFutureオブジェクトのawaitよりも早く処理される。
なお、asyncをつけたのみの関数内の処理は通常の処理と同様の実行順となる。

import 'dart:async';

void main() async{ 
  f1();
  f2();
  f3();
  f4();
  f5();
  print(0);
}

Future<void> f1() async => print(await f1c());
Future<int> f1c() async => Future(() => 1); // 最も遅い
Future<void> f2() async => print(await f2c());
Future<int> f2c() async => 2;
Future<void> f3() async => print(await 3);
Future<void> f4() async => print(await Future.value(4));
Future<void> f5() async => print(5);// 単なるasync関数は通常の処理と変わらない
// 5
// 0 
// 2
// 3
// 4
// 1

複数のawait

  await Future.wait(
    [
      Future.delayed(const Duration(milliseconds: 100), () => print(1)),
      Future.delayed(const Duration(milliseconds: 1), ()=> print(2)),
    ],
  );
  print(3);
  // 2
  // 1
  // 3

Timer.run

equivalent to new Timer(Duration.zero, callback).

参考

Flutterのブートストラップ処理の随所で使われている。

Timer.run((){print(“aaa”)}) と Future((){print(“aaa”)})) は結果は等価

Future()の中で内部でTime.run()が呼ばれている。

factory Future(FutureOr<T> computation()) {
  _Future<T> result = new _Future<T>();
  Timer.run(() {
    try {
      result._complete(computation());
    } catch (e, s) {
      _completeWithErrorCallback(result, e, s);
    }
  });
  return result;
}

Future.sync

Future.value(値) と Future.sync(()=>値) は等価

Future.sync((){print("1");}).then((_){print("2");});
print("3");
// 1
// 3
// 2

FakeAsync

参照

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